アイディアはメモをとっておけと言われる。それは思いついたアイディアはすぐに忘れてしまうし、メモで残すことで後で活用できるという意味だ。ところで私はここ二ヶ月くらい、毎日なにかしらの文章を一定量書くということをやっていたのだが、アイディアを書くという行為は200字くらいまではただ単に頭の中にある言葉を書き写すにすぎないのだが、1000字くらいになってくると自分では当初考えていなかった発展があり楽しい。
1000字くらい書いていると、アイディアが脳内の他の要素と紐付いて、突然発展する。あるいは自分の書き殴った思いつきについて、冷静になって分析をしたり、反省をしたりということも、アイディアの核心の部分書いた500字くらいから始まる。
アイディアを書くという行為は、いずれ使えるかもしれないといういつかのために備えではなく、今この瞬間に思いつきを発展させるという創発的な行為であり、そしてそれは予測不可能な何かが起こるので楽しい、ということを知った。
思うに、脳にはバッファがあり、それは200字位なのだと思う。大体私が思いつきで一息で書けるのが200字だ。今私はほとんど思いつきで書いているが、このポストのパラグラフごとの文字数が大体100から200文字くらいになっている。ツイッターも140字?だっけ?なので脳は200字バッファというのは結構説得力があるのではないか。
何も持たないで、つまりメモ帳とか自分の思考を残す道具なしで思考するということはこの200字バッファの中で思考することになる。200字考えると、その前の200字は大体忘れてしまう。しかし文字にして書くことでバッファ以上の思考を止めたまま、思考し続けることができる。そして数バッファ分吐き出すと、だいたい頭の中が空っぽになり、書きだした文字に対して反省をしたり、空っぽになったので新しいことを考え始めて、そこで脳のバッファを超えたアイディアの発展が起きるだろうと思う。書くことによって、脳のバッファ以上に思考することができる。
逆に言うと、書くことがなければわたしは延々と200字の思考を続けているということであり、それは閉塞的で絶望的だ。わたしは大体常に頭の中でなにかしらを考えており、しかしこの止まらない思考によって建設的なことを考えたり、得したりということはほとんどない。それはただ考えているだけであって、やはり200字考えては忘れるという意味のない繰り返しをしているだけだ。本当にそうなんだよな、これどうにかならんのかな、特性なのかな、それともみんな止まらない思考で悩んでいるのかな。