毎日やること、一秒でも一文字でもいいから毎日進捗を出すことが重要だと思った。

ここ半年くらい、本を書いている。まあ仕事の関連で本を書くことになったのだ。同人誌はともかく商業出版で書くというのは全くの初めてであるし、執筆という行為は日頃の仕事や生活とかなりかけ離れた趣があり、どうしても後回し後回しになる。時間があいたらやろうと思っていると、別の作業が入り込んできて、いつまでたっても着手できないという感じで、ストレスの多い半年だった。

そうやって何日も何週間も作業をしないでいると、再開することのコストがめちゃくちゃ重くなる。今まで何やっていたかを思い出さなきゃいけないし、やってこなかった後ろめたさも加速度的に増大していく。あげくには怖くてファイルを開けなくなってしまう。そうやって停滞し、悪循環に陥っていく。

しかし実際にやってみると案外すんなりと作業を進めることができる。私はなにをあんなに怖がっていたのかと不思議にすら思う。

だから結局、この問題に対処するにはとにかく毎日やるしかないのだ。毎日ファイルを開き、一文字でもいいから書く。そうやって生活のなかにその行為をなじませ、再開コストをなるべく小さく保つ。もちろん一日一文字の進捗だけではいつまでたっても終わらないので、どこかで腰を据えてやる必要はある。