諸事情で本を執筆することになったのだが、まあやる気が起きない。仕事関連の本なので、はっきり言って興味も情熱もない。そして仕事というものを私は、その時々の付け焼き刃でえっちらおっちら凌いできたので、大系だった知識も技術も持ち合わせていない。私は本が好きなので、商業出版というのは憧れの一つではあり、当初は降ってわいたチャンスに心躍ったりもしたが、いざとなるとやる気が出ない。そもそも文章を書くという行為がつらすぎる。なんでみんなこんなつらいことをやっているのだ。なぜ文章を書くことはつらいのだろう。それはどのような文章であっても、それが自分の内面を多かれ少なかれさらけ出すものだからだろうか?ところでわたしはプログラムコードを書くことで日々の糧を得ているわけだが、コードを書くのは全くつらくない。あれはレゴブロックのようなものだ。達成すべき目標に対して頭の中で全体の構造と部品が思い浮かび、微調整しつつ現実のものとしていく。

文章においてもそのような状態に至れるのだろうか。多分一日8時間、5年くらいやればいけそう。8x240x5 で1万時間くらいか。何事も一人前になるには一万時間くらい費やせという嘘だか本当だかわからん話を聞いたことがあるが、たしかに一万時間くらいやると、それなりに感覚のようなものが身につく気はするな、私の経験に照らしても。当面の目標として文章を書くつらさを減らしたいというのを掲げていこう。しかし当面の目標以前に目の前の作業をやらねばなるまい。既に締め切りは過ぎている。あとたったこんだけの分量にどんだけ時間掛けてるんだという自分の無能さが常に直面する。これもつらい。